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脳内世界地図ミクロ -楡井ズム増刊号-

 
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即興詩篇

『パピヨンの伝説Ⅱ ‐妖魔のデッサン‐』

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片輪は翠 片輪は白
わたくしたちには似合わぬ広さの
林を憎む
糜爛の屋敷という林を

(幼稚な
 幼稚な
 幼稚な 振動)

重ね着は蒸し暑く 薄着は寒々しい
越冬よ 許してたもう 越冬と 名を変えたおばとおじ
わらわらとともに生まれた兄妹なのに
わたくしたちには与えられぬ紋章が
この家にはある この時代にはある

藪肉桂の宮殿に降り立つ力天使の帆
塔守よ 怠ることなかれ 兵長よ 彼奴の皮は剥いて弔旗に
頑丈に設えられた楠木の幹による砦に
都市から来る狙撃手が毒矢を
濡れた鏃が 天蓋を裂いて鏃が

青い三角定規 黒鉛の鶏冠の群
わたくしたちには似合わぬ呼び名を
腐葉土に乗せ
湯気となって消える共時の虞

(数奇な
 数奇な
 数奇な 傷痍)

瑇瑁一族の末裔は淡い色調に透き通った
両性具有の生殖器を持つ 双子を生んだ 双子を生んだ
水面に触れ 雲に触れ 僅か一抹の
鱗粉も溶けぬ前に絆の融合
俺は わたくしは お前は貴女

比翼は淡色 肥沃は男色
わたくしたちには似合わぬ弱さの
霧雨に敗け
吸われた空を汚泥から水簸

(巧緻な
 巧緻な
 巧緻な 弾指)

運命の刻は力天使の再訪
誤りを創った指先が 宙を嗅いで 夜露を読んで
永久に離れまいと誓った兄妹なのに
乾かぬ翅翼は脆く発破し
広間は嘆声 墓には喝采 大いに響き

左方はアイテム 右方はテーマ 
世継を亡くした枢機卿と連む魔導の
翁が掖庭で舞う
欠いた月にはすべて咎なし

(典雅な
 典雅な
 典雅な 飛翔)

数世紀が経ち 公営住宅の敷地内で
崩れた砂山の奥底から 埋もれた骨塚が現れる
蝋と化した青筋の 透き通った翠の鎧
石と化した帝揚羽の黄色い斑 いまだ曲率は零

ランドセルを背負った幼い二人が木の枝で
「夢かな」「そうじゃないかな」と突っつきながら頬を染める
離れ離れになった今の二人が 女の方が
「可愛らしい絵」と嘗ての二人のポートレイトを眺め
漸く曲率は円かを成す

……その、半弦は翠 半弦は白

(妖魔の
 妖魔の
 妖魔の 描画)

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