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脳内世界地図ミクロ -楡井ズム増刊号-

 
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即興詩篇

『絹煙管』

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星は凍えているのだ。僕の独善的に饒舌な日課のお陰で。
だからこそあんなに震えてみえるのだ。
室内がやけに寒いから、そうだろうとは思っていたけれど
いよいよ冬がやってきたのだなあと思う
こんな寒い日は、特に痛くそう思うのだ

飽きた舌先がこんがらがったって、僕の饒舌は続くのだ。
万年床に敷いた襤褸布のように、刺繍がほつれたっていい
刺繍は文字を成すけれど意味は為さない
今夜、寒さの厳しいヴェランダで見上げる星屑が云う様に
煙や靄の類は肺にも悪いが視界にも悪い

寒さに耐えられなくなったのは親を失ったからではない。
包んでくれる毛布は、呪文をかければ空も飛ぶし、佳日へ連れて行ってくれたりもする。
なのに手触りが悪いと感じるのは、湯水に指先を浸けすぎたせいか、
あるいは、この皹切れるほどの寒さのせいか、
冷え纏う熱を吸い、灰色の碓氷めく息吹が僕の肺を刺す。

吐き出した煙に、理想の団欒が描かれて、黄土色に滲んで、夜風に消える。
団欒を担う一家の人数をそらで数えて、五を過ぎたあたり、
それは寝巻きの懐で待つ、葉煙草の残数だったと知る。


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